今を作っているもの。

2005/11/12(Sat) Book

下山事件 表紙
下山事件
森 達也 (著)

-闇にいきなり光を直射するだけでは全貌は捉えられない。
  動きの素早い何かは逃げるし、弱い何かは萎縮する。
   いずれは光も必要だが、じっと闇に目を馴らすことで見えてくるものもきっとある。-

下山事件とは、昭和24年7月6日未明、国鉄初代総裁下山定則が常磐線の線路上で轢断死体で発見された事件。事件は、国鉄の人員整理をめぐって緊迫した局面で起きた為、自殺か他殺かをめぐり様々な推測が流れた。そしてその9日後に三鷹事件(無人電車の暴走)、翌月に松川事件(レールをはずして列車を転覆)とたて続けて不思議な事件が発生した。この結果、組合の闘争はおさえこまれた形となり、革新陣営全体の高揚も見事に沈静化させれてしまった。これ以降、アメリカの占領政策の転換により日本は”極東の反共の砦”となっていくのである。

ミステリーチックなドキュメンタリーなのだけど、僕は自殺か他殺かにはあまり興味がなかった。今起きていることの原因や経緯を探っていくと、必ず昭和にぶつかる。昭和の終わりに生まれた僕は、不勉強もあり、今平成でおきている事の元になっている昭和をあまり知らない。でも、今起きていることをいろいろ知ろうとすると必ず昭和にぶつかる。それを少しでも知れるといいなと思って読みました。

正直言って読み終わっても、なぜこの事件が今の日本を作っているのか、よく分からなかった。ふつうに社会や近代史を勉強していれば分かるんだろうけど。僕が分かった事は、「戦後の混乱」というよく聴く言葉で処理されている、ちょっと前に実際に起きていた事を知ることが出来たこと。携帯電話もないしインターネットもないって言うありふれた表現しかできないのがあれですが、そんな時代があったのだと、それから100年経たず今の世界があるのだという事を知ったことぐらいが収穫でした。


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