人脈づくりの科学

2006/03/18(Sat) Book

人脈づくりの科学 表紙
人脈づくりの科学
「人と人との関係」に隠された力を探る
安田 雪 (著)

-人が誰であり、何であるのかは、他者の力を借りずに知ることはできない。
 他者とのかかわりにおいて初めて、自分が他者よりも優れている点や劣っている点、
  他者に与えられるものと与えてもらうことしかできないもの、
   得意なことや苦手なことなどを認識することができる。-

美しいことばの表現を教えてくれる本や、想像力を豊かにしてくれる本、著者の長年にわたる経験を数時間で吸収できる本など本にはいろいろある。そんな中で、この本は新しい概念を教えてくれる本。小さい子供が、お父さんに肩車をしてもらって、いつも見ていた景色がまったく違って見えるような、そういう本。

一番面白かったのは最初に引用した、ネットワークを論じている本なのに、突然個のアイデンティティに話が飛ぶ箇所。これがこの本がいろんな書評で支離滅裂とか酷評されてしまう所以なのだけど、僕は楽しく読んだ。

両親に言葉を教わり、学校で先生に教育を受け、会社でマナーや技術を教わる。自分の能力の多くは他者の産物。それ故、そのアイデンティティは他者に依存する部分が必ずあり、自分だけで形作っているものではないと解く。

なるほどな。振り返れば生まれたことそのものが両親の意志によるもの。他者は自分に大きな影響を与えるものであり、それ故に環境が変わればその人の考え方や能力が大きく変わったりする。逆に見れば、自分も他者に大きな影響を与える存在なのかなと思った。「与えてもらうことしかできないもの」という言葉も、僕にとっては新しいものだった。人はそれを切望し、故に人に何かを与えるのかなと。


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