上杉鷹山

2006/05/13(Sat) Book

上杉鷹山 表紙
上杉鷹山
童門 冬二 (著)

-為せば成る 為さねば成らぬ 何事も
            成らぬは人の 為さぬなりけり-

米沢藩の第9代藩主に17歳で就任した上杉鷹山の物語。けして豊饒ではない国土と借金句の財政、今で言う守旧派の中に飛び込み改革を成し遂げた人の物語。純粋な歴史小説というよりも、所々企業経営に比喩するような記述があったり、かなりわかりやすく書かれてる。700ページもあるので、半日かけてゆっくりと読みました。

途中までは、まさに小泉改革みたいなストーリーでした。掲げているものはかなり違うけれど(首相にすれば同じなのかも知れないが)、大胆な案を掲げ、守旧派を排除し、全藩士を集めて守旧派に付くか改革派の鷹山に付くかを迫ったり。。。大胆な人事を行っているところも、かなり小泉改革をイメージしながら読み進めました。途中側近の首を自ら切る所には、ちょっと前の石原東京都知事と浜渦副知事の辞職が重なった。

マネジメント層を意識して書いているのか、まず人選をし、課題を掲げ、考えさせる。普段無意識に考えているヒエラルキーを逆転させる。タスクフォースを組織するなどなど。一つ一つを実際の仕事と絡めてイメージする事が出来ました。仲間との別れや、守旧派の反対、鷹山の成長と苦悩とか、物語としても十分面白いものでした。後継者育成とかがあまり書かれていなかったので少し消化不良でしたが。

正室の幸姫についての記述が途中から出てこなくなるので気になってネットで調べてみたら、あまり長い人生ではなかったようです。側室も迎えている。また、はじめの頃の改革の話が多く取り上げられているけど、財政健全化が実現したのは鷹山死後の翌年で、実際は隠居後の後期の改革の方が有益だったというような記述もあった(Wikipedia:上杉鷹山)。本の中では側室は取らないと書かれていたり、財政がそんなに回復したような記述がないのに鷹山の功績をたたえる取り巻きの声が多く書かれていたので、この本に「書かれていない事」も結構多そう。

読み終わってみて、この本を面白いと紹介してくれた人の仕事の仕方が、上杉鷹山そっくりだなぁと、しみじみ思ったのでした。

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