憲法九条を世界遺産に

2006/09/23(Sat) *Pickup, Book

憲法九条を世界遺産に 表紙
憲法九条を世界遺産に
太田 光, 中沢 新一 (著)

-自らの存在の深部に、
  免疫抗体反応の発動を否定しようとしてきたものが、
   憲法九条以外に、この世にはすくなくともふたつある。
    一つは母体である。-

junjunmocchaさんの所で書評を見つけて購入。タイトルがキャッチーなのでかえって誤解を生む気がする。僕も最初は否定的な目で読んだんだけど、その否定的な理由への回答や、バックグラウンドにある考えと究極に突き詰めた(昇華した)世界遺産にする考えの根底がかいま見れた。

理想論ではあるが、その中にはらんでいる矛盾もしっかりと理解している。この二人は、国家と個人のレイヤーやルールの区別がきちんと付いており、ディスコミュニケーションが世界を豊かにしていると認め、自己否定もしており、覚悟もある。右でも左でもないフラットな思考の連続からジャンプした結果が、憲法九条の世界遺産というアイデア。だたそれに国民全体が共感するものではないということも理解している。

そうなれないかもしれないけれど、そうありたいという姿は生きる中で何よりも大切であると思う。そして、どれだけ強くそうありたいと願うかが、人の分かれ目だと思う。僕個人は、世界遺産化が理想であると共感するけれど、現実的には憲法九条という制限下で自衛隊という防衛のための軍隊の活動範囲を、国民や諸外国の批判というブレーキペダルを握りながら広げていくのがいいと思っている。(そして、本でも書かれているけど、こういう事がもう少し言いやすい世界になることを望む。)

ただしかし、世界遺産という形で日本の理想から世界の理想に昇華された憲法九条から、どんな新しい世界が生まれるのかを、見てみたいとは切に思う。そして、それを追い求める彼らに、希望を持つ。


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