過去はほんの少し前まで、今その瞬間だった。
福井に帰った最初の日の夜は、日本酒を飲み過ぎてもう東京に帰らずにずっと福井にいたいと思っていたのに、福井を発つ前の日には、カフェで東京に戻ってからの日々のことをいろいろ整理したり考えたりしていた。
前の会社の人たちだったり、前の会社を辞めてから知り合った人だったり、中学校以来十数年ぶりに再会する保育園の時からの幼なじみだったり、ずいぶん久しぶりに会う家族(犬とハムスター含む)だったり、東京に行く前によく行っていたカフェだったり。ある時期、同じ時間を共有していた人たちと過ごす時間や空気は、勢いや瞬間ではない、とてもとても幸せな時間。
東京での日々は、過去の日々がそうであったように、瞬間瞬間で生きて、考えて、後から見ればもっとこういう事も出来たんじゃないかと思うことはとても多くて、まだあまり楽しいというところまではいっていなくて、どちらかというと不安の方が大きい。でも、過去の自分を反面教師に、過去と同じシチュエーションに出会ったときは、以前より賢明な判断が出来ていると思うし、過去と同じ過ちはだいぶん減らせている(と思う)。
前の会社の人たちは、残っている人やそれぞれの道に進んだ人も含めて、とても充実していて素敵な笑顔だった。幼なじみの彼女は、自分たちが二十代になっているという相変わらず実感がない現実を共有しながらも、社会人一年目を歩き出していた(そしてとても綺麗になっていた。)妹にはよく分からない心理テストを受けさせられたけど、もうすぐ社会に出る時期が近づいている。犬のコロは相変わらず耳をかいてくれとせがみ、3代目のハムスターはおとなしいやつだった。
福井でのそれらのことは、夢中だった日々から少し時間が経っているからそう思えているのであって、そのまっただ中にいたときは、今東京で生きているのと同じようにあまり周囲も見えず、楽しさにも気づいていなかった。福井の懐かしい人たちとの間に流れる幸福感もあるし、東京の今の人たちとしか味わえない充実感もある。そして、それは必ず繋がっているし、その時の思いが未来をつくる。福井に帰って感じた、今をきちんと生きることが今後の充実になるのだという思いを胸に、東京で生きていきます。さぁ仕事仕事!
