アミターバ

2007/06/16(Sat) Book

アミターバ 表紙
アミターバ
―無量光明
玄侑 宗久 (著)

-解らないことが多いですが、お父さんは火葬されましたけど、
  その体にあった分子は変化しても原子レベルでは全く
   変化せずにこの地球上にあり続けているわけですよね。-

現代語訳 般若心経」と同じ玄侑 宗久氏が書いた本。玄有氏は僧侶でありながら作家でもあるので、般若心経の本も読み物としてとても面白いものだった。その人の書いた小説が読んでみたくなり、般若心経が残された者への本であるとするならば、あの世へ旅立つ側のことを書いた本である「アミターバ」を手に取った。

物理やらの世界のことは詳しくないので本当かどうか解らないけれど、この本の中で出てくるある住職が、難治のガンを患った主人公である老婆から、もうなくなった夫を見たといわれ、冒頭の言葉を返す。そして、その言葉を体現するように、主人公の死後の様子が描かれる。玄有氏は、仏教の世界を自分なりに理解するために、物理などの世界と結びつける、なかなかおもしろい人だ。

死を迎え俗に言う霊魂となった主人公の老婆は、自分の亡骸の前で泣く家族や、自分の葬儀に出て位牌を見たり参列者のまわりを飛び回ったり、生まれた生家に行ったりする様子が描かれる。あの葬儀の時も、僕らのまわりを祖父が飛んで回っていたのかと思うと、不謹慎だけど少しだけおかしかった。

なんだかあまりにも出来すぎているので、信じてもらえないだろうと思い、誰にも言わずこの前書いたブログにも書かなかったのだけど、祖父が亡くなった日の朝、夢を見た。その夢の中で、僕は葬儀に出ていた。ぼんやりとした光景で、夢に見たのは葬儀のワンシーンだったので誰の葬儀かは解らなかった。それから36時間後、僕はそれと同じ光景を見ることになるとはその時は分かるはずもなかった。その夢が終わり目覚めたら、母から祖父が死んだという連絡があった。ただの偶然だろうと思う。でも、この本を読んだら、少しだけ偶然ではなかったのかもしれないと思った。


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