嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(1) 幸せの背景は不幸
2008/03/06(Thu) Book

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
幸せの背景は不幸
入間 人間 (著)
彼女の精神は喜怒哀楽の強弱高低が偏りすぎているけれど、だからこそ常人には組み上げられない感性を内包することが可能だ。異質か異彩か、判断が難しいのだけれど。
「ねえ、治療って何かな。」
「何って、療法を用いて傷を治癒させるってことじゃないんですか?」
「傷を治せばいいのよね」
「そうですけど」
「その怪我に処置を施す刺激で命を失うような患者でも、傷を防げば治療、かしら」
壊れたキャラクタが織りなす、壊れたストーリー。文体も、所々壊れている。故にと言っていいのかは分からないけれど、それらのキャラクタはとても素直に行動しているように思う。僕はそれらが人とは異なる素晴らしい彩に見えたのだけど。
この本に出てくるキャラクタはみんなどこか壊れていて、最初は違和感があるのだけれど、そのうち自然とそれが特段おかしい姿には見えなくなってくる。それは普段は、マニアだったり教養だったりビジネスだったり、ある程度母数があってきちんと名前が付いている故に特別視されないだけで、僕らがいるこの社会もみんな所々どこかおかしくて、精神障害という名前の付いたマイノリティと本質は変わらないのではないかと思った。
