ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく
いかに働き、いかに学ぶか
梅田 望夫 (著)
本書には、「社会はこうあるべき」と虚空に向け提案を放り投げるような言説は一切含まれていない。個に「自助の精神」さえあれば追求可能な新しい可能性やその方向性を考え続けた。志向性を拠り所にできさえすれば、仮にこれまでは「自助の精神」を発揮できなかったとしても、これからはできるのではないか。その一点に期待をかけ、それを直接、一人ひとりの読者に伝えたいと思いながら書いた。
ウェブ進化論以来梅田さんの本は多数出ているのですが、その中でも前編書き下ろしでウェブ進化論と対をなすという説明に惹かれて買ってみた。ウェブ進化論が新しい「あちら側」であるネットの世界と「こちら側」である現実社会について解説した本ならば、この本はその世界で可能になってきた新しい働き方を説いた本。
僕はちょっと前まで、梅田望夫という人がよく分からなくなっていた。ウェブ進化論はたしかに大いに勉強になったけれども、それ以降は橋下大阪府知事の言うところの「机上の空論」というか、抽象的なことばかり言ってぼかされているような気がして、なんというかちょっと敬遠していた。もちろん、僕がきちんと彼の文章を読んでいないのかもしれないが。
ところが最近読んだ「おもてなしの経営学」の筆者中島聡さんと梅田さんの対談の中で、梅田さんのしたいことは新しい形の教育だという下記の一文を読んでから納得し、彼が何をしたいのかがよく理解できたので、この本を買った。
福沢諭吉が明治の少し前に慶應義塾を作ったとき、同世代の人たちから見れば彼が何をやっているのかさっぱりわからなかった。今でこそ慶應義塾大学は有名校だけれど、昔はただの私塾だものね。だから僕も、同世代には分からなくても将来的に「あのとき、あいつは新しいことをやっていたんだな」と言われたい。
(中島聡著 おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由)
僕が印象に残ったのは、インターネットにより学ぼうと思えばどこまでも学ぶことが出来る個人の知が高速道路化された現代の中で、どうやって「好きを貫いて」生きていくことが出来るかという著者なりの答え。正攻法でそれを扱う大企業に入ってという方法の他に、「けものみち」と表現される総合志向の自由な生き方。
自由とは言いつつも、そこで生きるためには「際限のない好奇心」と「終わりのない学習」といった自立性が強く求められるため、決して自由に好きなことだけしていくといった生やさしいものではない。そして、自分の好きなことは何かと極限まで自分自身に問い詰める作業が必要となる。
その助けとなるのが「ロールモデル思考法」。ロールモデルとは、お手本となる人を見つけてそれを指針にするという最近よく言われている方法だけれど、それを複数の人から共感できる部分だけを参考にするという方法はなるほどと参考になった。
たとえば、イチローのハングリーさ、古田のロジカルな考え方、みのもんたの時間の使い方、みたいに、それぞれの共感できる一部分だけを参考にする。この方法だと確かに参考にする部分を見つけやすく、自分にあった目標=好きなことが見つかりやすい。今後の自分の仕事を考える上でとても参考になり、自分なりのロールモデルを考えてみて、今後が少しすっきりした。
