螺鈿迷宮
2008/06/23(Mon) Book
桜宮は花盛り、青いすみれに白百合の花…
チームバチスタシリーズの本作。これでシリーズで読んでいないのは「ブラックペアン1988」だけかな。他の作品と違ってエキセントリックなキャラクタが少ないので物足りないと感じるかもしれませんが、個人的にはそれでも魅力的なキャラクタが多く、一気に読めました。
ストーリーが、バチスタシリーズの中では一番好き。徐々に明かされる複雑に絡み合った人間関係と、罪と罰というか業のようなものの存在。もう少し肉付けしてあればいいとは思いましたが、それでも十分考えてしまう組み立てでした。
キャラクタの中では、桜宮すみれという女医が秀逸。すみれと双生児の小百合というもう一人の女医といい感じに性格が別れていて、すみれはどちらかというと活発な方。主人公天馬との関係や孤軍奮闘するその姿がとても魅力的。
なので、物語の最後はすみれへの綺麗な余韻を残して追われるのかなあと思っていたら、思わぬ形でのどんでん返し。物語全体を通してみれば最後のいいスパイスにはなっているけれど、すみれのことを考えるとちょっとなぁと後ろ髪を引かれたまま読了。もういちど読み返したい本です。

