空白の宰相 「チーム安倍」が追った理想と現実

2008/11/11(Tue) Book

空白の宰相 「チーム安倍」が追った理想と現実 表紙
空白の宰相 「チーム安倍」が追った理想と現実
久江 雅彦 (著), 柿崎 明二 (著)

「チーム安倍」は崩壊していない。はじめから実態として存在していなかった。それが、一年で幕を閉じた安倍政権の断面を取材、検証した率直な印象である。

道路特定財源、公務員制度改革、日本版NSC、防衛庁(当時)事務次官人事、松岡農水大臣の自殺など、安倍内閣が取り組んだ様々な理想とその現実の裏側を追いながら、「理想は高いが実行力のない安倍総理」を描き出している。中に出てくる細かい政治家のやりとりの真偽のほどは定かではないけれど、結果から見ると当たらずとも遠からずといった所なのかな、という感じがする。

壊してばかりでは何も進まないわけで、そういう総理の後に国の根本となる憲法と教育を持ち出してきた安倍元総理には、直近数人の総理の中では一番期待していた。歴代議員の家系であることも、安定した地盤があるが故に現実直近の課題にとらわれずに長期的な政策が出来るのではないか、と期待していた。まあ結果はあの通りなんだけれど。

直近のエントリで文民統制(文民(=政治家・国民)による軍隊の統制)について触れたけれども、文民統制よりももっと深刻なのは、文民による官僚の統制が出来ていないことなんだろうな。あからさまな死者数というのが出ないので軍隊に比べて目立たないけれども、軍隊によって亡くなった人の数と比べた時、官僚の無策や失策によって亡くなった人の数や遺失利益というのも、相当数あるんじゃないかと思う。

公務員制度改革のあたりで、「公務員の天下りや待遇をなくしてしまうと、優秀な人材が集まらなくなる」という官僚の言葉にはちょっと呆れて笑ってしまった。あなた達の言う優秀な官僚が集まって「このザマは何なんだ」と某知事風に言ってみる。政治家が無能だとでも返してくるのかな。


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