Archive for the ‘Book’ Category

だれかのことを強く思ってみたかった

2006/02/26(Sun) Book

だれかのことを強く思ってみたかった 表紙
だれかのことを強く思ってみたかった
角田 光代 (著), 佐内 正史 (写真)

-私たちはいっしょに東京いきの電車に乗り込んだのに、
  それぞれ違う標識にそって走り続けているらしい。-

普段本は何時間かかっても一気に最後まで読むんですが、この本は気づいたら寝ていました。それぐらいふんわりしていて気持ちと頭がほぐれちゃったということでしょう。当たり前だけど、この本を読んだからすぐに明日何かが変わるわけではないけれど、今後自分の意識しないところでゆっくりとそしてそっと、影響を与えていくのでしょう。

「へんな会社」のつくり方(東京に出てきちょうど1年経った今の思いに代えて。)

2006/02/25(Sat) *Pickup, Book

「へんな会社」のつくり方 表紙
「へんな会社」のつくり方
近藤 淳也 (著)

-十分に社内で議論を尽くしていても、
  時としてその内容が、多くの一般ユーザの意識から大きくずれたものになり得るということでした。-

いつも行っているスポーツジムが今週は休みだったので、ちょうどAmazon.co.jpから届いた大量の本を読んでいく事にした。どこかのコメントでも書いたけど、今年に入ってから毎週2冊の本と2本のDVD、スポーツジム通いが続いている。いいサイクルかも。

僕はちょうど一年前の今日、東京に引っ越してきて、3月からサービスをユーザーに提供する会社で働く事になった。これまでは、サービスを提供する人にシステムを提供するのが仕事だったけど、それからはサービスを提供する事そのものが仕事になった。恥ずかしい話、最近までこの違いに気づいていなかった。

以下は全て個人的な考えだけど、同じひとつのサービスを利用しているユーザーにも、本当にいろいろな人がいる。そういう意味で、これまでのお客さんであった自治体と似ているところがあるのかもと気づき、そのときの事を振り返って答えを探そうとする事もある。

正直僕は、はてなが提供しているサービスにはあんまり興味がない。ブログはMTで書くし、ソーシャルブックマークはdel.icio.usを使うし、RSSはBloglinesで読む。はてなで利用しているサービスは、RSSで読めないページの更新状況を知るために、はてなアンテナで内容をメールしてもらっているくらい。でも、はてながユーザとサービス運営を行うためにとっているコミュニケーションについては正直興味津々だった。

本を読んだ。これまでネットではてな周りをウォッチし得た情報以外の、知らなかった情報は何もなかった。それはつまり、本でも書かれているけど、全ての情報をユーザーに公開している事の証でもあるのだと分かってちょっとだけヤラレタ感があった。

これも最近気づいた事だけど、本人が早いと思っていても、周りから見たら全然遅い事がある。この本で近藤さんが書いているように、本当に彼らはユーザの事を考えているだけで何も特別な事はしていないのだと思うけど、そのレベルさえも僕はできていないという単純な事なんだろうなと思った。

一見もうつまらない仕事に思われるのかも知れないけれど、その時期に携われる事はそうでなかった時期に携わるより得られるものが多いんじゃないだろうか。最近はそんな風に思います。最後に最近ちょっと感動した言葉を紹介して、また明日もがんばろうかと思います。

昔話禁止令。|Tokyo Ochimasato Land

今、僕が立っている世界は、
ごみ箱の中さえ、子供の頃から憧れていた
ブラウン管の向こうにあるモノじゃないか。

ヴァーニュ

2006/02/19(Sun) Book

ヴァニーユ 表紙
ヴァニーユ
赤坂 真理 (著)

-日本語が話せるから、彼らとわかりあえるのではない。
  フランス語を話せることとフランスに居場所を見つけることとは違う。-

3話入っているんだけど、そのうちの本のタイトルにもなっている「ヴァーニュ」を読んだ。最後の方までなんだかよく分からない話で、自分を傷つける事で自分が生きている事を感じる人の話かと思ってた。でも読み終わった後は、言葉じゃないコミュニケーションを描いた話に思えた。

この本は、もう一回読むとまた違った事が見えてくる気がする。なんとなく、そんな気がする。

ボスと上司

2006/02/18(Sat) Book

ボスと上司 表紙
ボスと上司
梅森 浩一 (著)

-相手の立場に立って考えるのではなく、
  相手のモチベーションに立って考える-

僕は、Aについて知りたいとき、Aについて書かれたものを読むのではなく、Aが読んでいるものやA向けに書かれたものを読む事で、よりAについて知る事ができるんじゃないかと考える事が多いです。上司について知りたいとき、部下が上司に対してどうすればいいのかという本を読むより、上司向けの部下にこう接しろという本を読む事で、より深く上司を知る事ができるのではないかと考える事が多いです。

1年以上前に買ったこの本を見つけて、なんでこんな本を買ったんだろうと思い出していて、ふとそういう理由で買った事を思い出しました。

いろんな会社の人事部を歴任してきた人が書いた本なので、人事部の人が読むと参考になりそう。

無意識の中の意識 – ITベンチャーを知る4冊

2006/02/13(Mon) Book

ブログを再開した手始めに最近読んだ本の感想でも書こうかと思って、直近の4冊をあつめたら、あらと気づいた。すべてITベンチャーの本なのだ。買った時期はバラバラ、中には1年前に買った本もある。読んでるときは全然意識してなかったんだけど、不思議と繋がっちゃうのですね。以下読んだ順。

起業ってこうなんだ!どっとこむ 表紙
起業ってこうなんだ!どっとこむ
藤田 晋 (著), 米倉 誠一郎 (著)

-FLOSS
 とにかく失敗しろ、異質な視点で考えろ、
   現場に出よ、いい加減になれ、バカになれ-

お約束ですね。藤田さんの本の中では一番学ぶところが多い本だと思う。サイバーエージェントの事業紹介の部分もかなりあるけど、仕事の事、組織の事、上場の事、そもそもの経済の事など体系だって流れるように学べる。この後の本を読んでその思いは強くなったのだけど、サイバーエージェントは楽天やソフトバンク、ライブドアなど財閥的発展をしている企業とは路線が違う。かといって、はてなやGoogleのような技術的発展をしている起業とも違う。どれが残り成功するのかは分からないけれど、みんな自分の道に自信を持ち集中して走っている。

大企業では小さいビジネスがしにくい、自社の株を村上ファンドに売ったソフトブレーン、短期の利益を考えながらも長期の利益を出す、理想と現実のギャップを埋めるのが経営、教育はアウトプット型がいい、といった事が強く印象に残った。

幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来 表紙
幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来
児玉 博 (著)

-好調な決算を背景に「後は孫社長の体調だけが心配」との声もあった。
  これに対して孫社長は「前髪は危機的状況だが、健康状態は至って健康。
   表面的にはワンマンのように映るかもしれないが、実際は組織で動いている。(以下略)-

脚色されているとは分かりつつも、今の飄々とした童顔の孫さんからは微塵も感じられない、もの凄くもの凄く濃い生き方に一緒に流され一気に読んだ。在日三世として今メディアには多くを語らない幼少期、事業の立ち上げ、孫さんが描いた夢を次々と形にしそして必ず去っていくブレーンたち、タイムマシーンと時価総額経営、病。そして夢を描いてくれるはずの実務者の自殺など。

読みながら思った。出てくる企業名や事業内容は時代を感じるけれど、やっている事は今の楽天やライブドアがやっている事と同じ。もっと言えば、10年20年前に孫さんが体当たりで四苦八苦しながらやってきた事を、時流も手伝ってスマートにやっているのが楽天やライブドア。M&Aは時間と顧客を買えるという言葉が、印象的だった。

折しも今日、ソフトバンクはEBITDAベースでの過去最高益を発表した。冒頭の言葉はその発表での言葉だけど、そこに至る過程を知れるこの本はぜひぜひ読んで欲しい。おすすめ。

楽天の研究 表紙
楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか
山口 敦雄 (著)

楽天をネットビジネス期とファイナンス期に分け、各取締役のインタビューで楽天の様々な顔を照らし出し、全体像に迫ろうとする本。全体的にネットのインタビューや一般に知られている事が多く、あまり深く掘り下げられていないのが残念。

ライブドア資本論 表紙
ライブドア資本論
佐々木 俊尚 (著)

-巨大な放送業界と堀江貴文。
  それはたとえて言えば、恐竜と小型ほ乳類みたいなものである。
   恐竜はいずれ滅びる事を運命づけられているとはいえ、
    未だに栄光の大恐竜時代の最後の残滓を謳歌している。(中略)
     「おまえらはもうすぐ滅びるんだぞ!」「いずれは俺たちの天下になるんだぞ」
      とかみついたとしても、恐竜の方は何の痛痒も感じていない。
       「うるせぇなぁ」と小型ほ乳類を後ろ足で引っかけ、遠くに投げ飛ばしてしまうだけなのだ。-

堀江さんの登場は日本社会の歴史的必然であり、日本経済が迷走の末に産み落とした赤子であるととらえ、その背景を紐解く事で彼を解き明かそうという本。ライブドアとフジテレビの戦いを軸に書かれている。MSCBの仕組みがやっと分かった。まだ人に説明できないけど。

一番興味深かったのは、戦前の地方財閥からの直接金融⇒戦中の政府が生産をコントロールするための政府→銀行→企業の間接金融⇒戦後の財閥解体や証券不況による買収危機などから官僚主導での株持ち合いや間接金融となり、現在に至る流れ。そして金融ビッグバンがあり新興企業が生まれる現在に至っている流れ。全ては偶然にも必然にも見え、その中で生きていることをとても不思議に思う。日本人は元々協調性がないのではないかという解釈も、自分の中では新しい発見だった。

そして話は堀江さんに迫り、堀江さんを是とするか非とするかは、日本がこれまでやってきた事への踏み絵であると解く。

今となっては全ての内容が今のライブドアに繋がるように見えてしまうけれど、僕は堀江さんがやってきた事がまっとうなことではなかったことが残念でならない。誰かが書いていたけれど、世界一の記録を出したアスリートがドーピングだったときのような感覚。

ちなみに僕はなるほど、とかへぇとか感動したところには付箋を貼るのですが、この4冊で一番付箋を貼ったのはライブドア、逆に一番少なかったのは楽天でした。この無意識の結果の中にも、何かの意識が働いてるのかも、しれない。

※尚、全部個人的な、意見です。

ナラタージュ

2005/12/30(Fri) Book

ナラタージュ 表紙
ナラタージュ
島本 理生 (著)

-私、よく考えてみたんです。
 あなたのことを気にかけたり未だに執着しているのは、
  自分が一番つらかったときに今みたいに助けてもらったせいじゃないかって。
   もし違う人に優しくされていたら今頃はその人に同じような感情を抱いていたんじゃないかって。-

なにより、僕と同じ1983年生まれの人たちがこうやって活躍する時代になってきたのに驚いた。

全体的には凄く好きなんだけど、それを上回る勢いでどうしても納得できないことが一つ。女の子が強姦されたという話を、大して本筋に関係ない(と僕は思った)形で易々と書かないで欲しい。なんかつらい。それだけ。

ビジネス書祭り

2005/12/24(Sat) Book

小説を読みすぎた反動のようにビジネス書へ。

使える 弁証法 表紙
使える 弁証法
田坂 広志 (著)

-止揚とは、互いに矛盾し、対立するかに見える二つのものに対して、
  いすれか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、
   包含し、統合し、超越することによって、
    より高い次元のものへと消化していくことです。-

この人の本は「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか」「未来を拓く君たちへ」と読んできてどっちも結構感銘を受けた。今回も期待に応える感じ。ほかの哲学や思想っていうものもこんなに面白いのならもっと勉強してみたい。「螺旋的発展(進歩・発展と復活・復古)=ギャザリング」「進化の本質は多様化」「否定の否定で進化する」「割り切らない」「営利企業と非営利企業」「日本の役割」など。

メディア・ビオトープ 表紙
メディア・ビオトープ―メディアの生態系をデザインする
水越 伸 (著)

-送り手が無機質な機構体となり、視聴者が欲望をむさぼる消費者になることで、
  マス・コミュニケーション不全を起こす。それは単なる情報の大量流通、
   まき散らしに過ぎず、コミュニケーションではなくなるのだ。
    (大量に植樹された杉が花粉症をもたらしたように。)-

タイトルと装丁に惹かれて買った。たぶん著者の伝えたかったこととは違うところでいろいろ収穫有り。ラジオ(無線)誕生時の姿はインターネットそっくりだったこと、メディアはドームであること、メディアと宗教、今の新聞の仕組みができあがるまで、メディアリテラシーとは何か、そういうことをいろいろ学べた。

好き嫌いで人事
好き嫌いで人事
松井 道夫 (著)

-C to B to C-

タイトルのインパクトに負けて買う。人事制度の話ではあるが、その制度ができるまでのバックエンドが中心(その方がためになり、おもしろい)。

進化する日本的経営
進化する日本的経営
全員リーダーの時代へ
吉村 久夫 (著)

-トヨタは「環境のトヨタ」によって、
 自動車の販売台数を単に増やしたいと願っているわけではないという。
  同社が願っているのは、「尊敬される企業になりたい」(張社長)ということである。-

日本的経営とはどういったものか、それはなぜこれまで成り立ち、また今成り立たなくなったのか。そしてこれからの姿は、といった流れ。昔は君主であったが今は民主であり、衆愚政治・大衆迎合であり、民衆にこそ帝王学が必要という所から、全員参加型経営、全員リーダー経営につなげる流れは面白かった。

今度の時は私の内閣ではないから分かりませんという人が君主になる時代、民主がしっかりしないといけないよねと。

最近つくづく自分の学のなさ(学歴のなさじゃないよ(汗)を痛感する日々。ちゃんとがんばろう…。

深紅。それは19歳、罪の色。

2005/12/18(Sun) Book

深紅 表紙
深紅
野沢 尚 (著)

-深紅。それは19歳。罪の色。-

映画のサイトと予告編を見て、本を買った。一家惨殺で一人生き残った娘が、加害者の娘と出会う。人殺しの娘を人殺しにする。そんなストーリーにかなり期待し、前半は期待を上回る展開だったけど、後半がなんだこりゃだった。完全犯罪でもミステリーでも何でもない。解説ではそれがリアルだと書いてあったけど、ほかの小説よりもかえってリアリティーがなかった。それともこれがリアリティーなんだろか。

売上2億円の会社を10億円にする方法 表紙
売上2億円の会社を10億円にする方法
五十棲 剛史 (著)

今年の春頃に買って読んでなかった本。でもその時読んでも分からなかったと思う。でも今読んだら、まさに前職が2億円の会社、今の会社が10億円の会社だった。本にも書いてあるけど、どっちがいいとかじゃないし、それぞれにやりたいことによって合う方があると思う。自分の考え方がいろいろ変わっていたことに気づかされた本。

慟哭

2005/12/04(Sun) Book

慟哭 表紙
慟哭
貫井 徳郎(著)

-この作品について、あれこれいう必要はない。
  読んでいただければ、慟哭、練達、仰天、の線で納得していただけると思う。
   そして、人に話すときには≪こういう類の本≫であると、
    絶対に明かさないようにして欲しい。(帯より)-

すごい。この本は凄い。
頭が真っ白になった。

M7.3 子どもたちの見たもの

2005/11/26(Sat) Book

M7.3 表紙
M7.3―子どもたちの見たもの
横木 安良夫

-街が綺麗になっても、私たちは忘れずに震災を伝えていって、
  あんな悲しいことがあったんだしそれを活かして、今度同じようなことがあっても、
   悲しみができる限り減らせるようにしなければいけないと思う。-

阪神淡路大震災から10年、神戸で生まれ育った10代へのインタビュー。装丁がちょっとおもしろくて、ジャケ買いした本。インタビューも印象的だったけど、写真がすごかった。10年前に戦争の跡みたいなぼろぼろになっているところを10年後に撮影した写真は、もうその面影を全く感じさせない美しい街になってた。でも逆に、そんな綺麗な街が一瞬でぼろぼろになるんだと、そっちの方が怖かった。