GOSICKs 3
灰色狼には、不可能は、ひとっつも、ないのだよぅ…
今出ているGOSICKシリーズの最新刊。これでGOSICKシリーズはすべて読了。この本以来続刊が出ていないのが気になっていたけれど、話を読む限りではまだまだ続きがありそう。これまでのシリーズでいろいろ複線も生まれているけれど、逆にストーリー展開がワンパターンになっている面もあるので、次はどう展開してくるんだろうか。直木賞を取ってもこの手の物語も是非続けてほしい。
灰色狼には、不可能は、ひとっつも、ないのだよぅ…
今出ているGOSICKシリーズの最新刊。これでGOSICKシリーズはすべて読了。この本以来続刊が出ていないのが気になっていたけれど、話を読む限りではまだまだ続きがありそう。これまでのシリーズでいろいろ複線も生まれているけれど、逆にストーリー展開がワンパターンになっている面もあるので、次はどう展開してくるんだろうか。直木賞を取ってもこの手の物語も是非続けてほしい。
ホンの少し嬉しかったのは、それらの他に、僕がカワイイと言った子犬のような黒いチョーカーを、杏はしていた。
あんまり野島伸司色が強くない物語。死別した恋人の幻影に依存している少女と、その彼女に恋する男と、もうひとりの男の話。最後の一文はちょっとうまかったけど、なんだかストーリーが一本調子ですんなり読んでしまった。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
善意の指針は悪意
入間 人間 (著)
やっぱりマユは良いなぁ、幸福を原料抜きで生成する。
悩みなど手品の鳩ぐらい鮮やかに消滅してしまった。
うーん。おもしろいのはおもしろいんだけど、ちょっと文章壊れすぎ。誤記か誤植かと思うような文章が続いて、読むのが疲れる。美しい日本語が読みたくなる。前作に比べると、どこかで聞いたような言葉が目立った。
前作に続き、主人公は不安定な場所に生まれた見返りを求めない愛をしてるのかなぁと思ったりもするけれど、どこかで自己満足という見返りが生まれていることも本人はたぶん自覚してるんだろうな。
一見狂ったような行動ばかりしているみーちゃんですが、今回の登場人物の中では一番悪いことをしていない。まあ、ほかの人たちもしようと思ってしたわけではないんだろうけれど。表面上狂っている人が一番そうでなくて、表面上普通な人が一般的には悪いとされていることをしているという、サブタイトルのうまさに関心。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
幸せの背景は不幸
入間 人間 (著)
彼女の精神は喜怒哀楽の強弱高低が偏りすぎているけれど、だからこそ常人には組み上げられない感性を内包することが可能だ。異質か異彩か、判断が難しいのだけれど。
「ねえ、治療って何かな。」
「何って、療法を用いて傷を治癒させるってことじゃないんですか?」
「傷を治せばいいのよね」
「そうですけど」
「その怪我に処置を施す刺激で命を失うような患者でも、傷を防げば治療、かしら」
壊れたキャラクタが織りなす、壊れたストーリー。文体も、所々壊れている。故にと言っていいのかは分からないけれど、それらのキャラクタはとても素直に行動しているように思う。僕はそれらが人とは異なる素晴らしい彩に見えたのだけど。
この本に出てくるキャラクタはみんなどこか壊れていて、最初は違和感があるのだけれど、そのうち自然とそれが特段おかしい姿には見えなくなってくる。それは普段は、マニアだったり教養だったりビジネスだったり、ある程度母数があってきちんと名前が付いている故に特別視されないだけで、僕らがいるこの社会もみんな所々どこかおかしくて、精神障害という名前の付いたマイノリティと本質は変わらないのではないかと思った。
咲はずっと嬉しそうに微笑んでいて、辻は黙ってその顔を眺めていた。二人とも口をきかなかった。話すべきことはたくさんあるのだが、言葉よりももっと切実に必要なものがあった。相手の存在そのもの、目の前にいる相手の本物の髪や目や手や笑い。その存在の全て。
いろいろと矛盾を抱えた物語。主人公はスリで、それ自身はいわゆる「反社会的行為」なのだけれど、その生き様が魅力的に描かれている。そして、それに特に裏付けになるようなエッセンスがあるわけでもなく、淡々と正当化してやっている。物語の後半でも、矛盾したことをしている。
641ページと結構長くて、物語が展開するのは普通の本だととっくに物語が終わっている300ページ過ぎで、それまでは正直あんまり面白くなかった。ただ、それからの300ページはあっというまにすぎていった。
別段大きなカタルシスがあるわけではなく、スリがスリを憎んだりしておまえもスリだろ!とつっこみどころも満載な訳です。僕はそれを矛盾を抱えて生きている「人間くさい」キャラクタと物語だと理解したのだけれど、若干消化不良感は残る。
咲、という主人公の妹みたいなキャラがいるのですが、それが知り合いと被った。住んでいるところも、その風貌も。ただ、ストーリー的にはちょっと退屈で、人にお勧めするかと言われれば、微妙かも。
あたしにあたることで気が晴れるのなら、いいことじゃない。外で暴れたら命がいくつあっても足りない。
人はよく、「好き・嫌い」と「良い・悪い」を混同して評価してしまうが、俺はきちんと区別するよ。
ミステリ。真相が分かった一文を読んで、おもわず「えーっ」と声に出してしまった。ちなみに僕は、ミステリは謎を解きながら読むのではなく、著者の思惑通りに読んでびっくりしたいという読み方です。ただ、アマゾンのレビューでも結構賛否分かれていて、僕の「えーっ」も「そういう展開ってあり?」という意味なので、これはナシだろっておもう人も多いかも。
一つ前の「インシテミル」とは異なり、この本はキャラクタの深みがとてもある。書き込みが多いわけではないのですが、その仕草やぽつっと語る一言から心の中で描かれる風貌がとても生き生きとしていて、一人一人が愛おしい。後半ある登場人物が亡くなってしまった時は、涙が出た。本当に死んで欲しくなかったと想った。このキャラクタを演じられるのは、木村多江か奥貫薫しかいない。
クローズドサークル名物、「この中に犯人がいるかもしれないのに一緒になんていられないわっ!あたしは部屋に戻る!」が成り立たない。
ミステリ。ミステリなのですが、普通のミステリというよりも、ミステリ好きに向けたミステリといった方が適切かと。時給11万2000円という怪しげな実験モニタのアルバイトに応募してみると、謎の館に7日間監禁される。実は12人の人々を殺しあうようにしむけ、ミステリ小説のクローズドサークルモノを再現するための実験であり、そこでは互いが疑心暗鬼になり殺しあうように仕向けるためのルールや仕掛けが色々と仕組まれていたのだった。という話。まあ密室物です。ライアーゲームのような世界観かな。
面白いのは、実際に12人がだんだん死んでいく中で探偵役も自然と生まれてくるわけですが、その館には館のルールがあって、実際に正しい推理をすることにあまり意味はなくて、その場にいるメンバーの半数以上の支持を得た推理が正しい推理とされるのです。だから、実際には間違ってても良い。支持を得る方が大事。
そして、時給11万2000円の他に、推理をしてそれの支持が得られると報酬が倍になったり、人を殺すと倍になったり、推理に失敗すると半額になったり、殺害に失敗(or成功後推理によって犯人とされる)になると、時給が一気に数百円に下がってその後の実験に参加できなくなったり。といった感じ。ただのミステリと言うよりも、ミステリの要素を皮肉った(?)世界観。何もしなければ全員平穏無事なわけですが、そうはいかないわけで。
そんなに古典ミステリは読んでない僕でも楽しめましたが、読んでるとより楽しめたんだろうなと思う。そういった要素が前面に出ているので、キャラクタの深みとか、登場人物の背景とか、リアリティが薄いのですが、それはまあバランスの問題でしょうか。それを書いていると本題がぼやけてしまいますから。結構オススメです。
警視正。これはあなたが教えてくれたことです。
わたしはあなたが教えてくれた通りにしただけなんです。
某氏に教えてもらった本。ミステリなので、なんとも感想は書きにくいのだけれど、かなり面白い。物語は途中で大きく転換するのだけれど、それまでの交渉のかけひきもスピーディーでのめり込んでしまうし、転換後の展開もまた読ませる。最後の方に出てくる「理解し合えないからこそ議論する」という言葉は胸に来る。
物語が転換するキーとなる要素は、確かに僕も読んでいて何となく引っかかった要素だった。読んでいる時はその違和感が分からず読み進んでしまったけれど、後から読み返すと実にうまい見せ方だったと思う。主人公が最初と最後以外はあまり出てこないというのも珍しい。そのせいで主人公のキャラクタがあまり伝わってこなかったことだけ、少し残念。
夜の九時頃って、人は何を考えるのかしら。聞いた。
さあ。夜の三時や、あけがたの四時に感じることならば、知っているけれど。
青磁の答えに、顔をあげた。三時や四時?
三時は、少しの希望。四時は、少しの絶望。
「失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか?」という紹介文から、ミステリのようなものかと思っていた。でも実際は、何ともつかみ所のない、化かされたような感覚になった本。
感情の表現や、それを言葉に落とす時の日本語の使い方がとにかく美しい。全体を通すととても静かな文体なのだけれど、その中に鮮やかに感情や情景が浮かんでくる。女性の主人公の心理描写の中には、愛おしいあまり狂気に変わってしまったような表現や、男の僕には何とも理解しがたい心の動きがあったけれど、女の人が読めばまた違うのだろうか。
特にベットシーンの描写が、今まで読んだどの表現とも違う。露骨な表現はしていないのだけれど、けして避けて書いているわけでもない。その行為を通じて形作られる二人の心情についてはもの凄く鮮やかに描かれている。そしてそれがまたとても美しい。
「ついてくるもの」や、「夫はどこへ行ったのか」については、最後まで僕ははっきりとした答えが分からなかった。一応の解釈が出来るようにそれらしいことは描写されているのだけれど、なんだか狐に化かされているような、どこか信じ切れない読後感。

スタバではグランデを買え!
価格と生活の経済学
吉本 佳生 (著)
経済学をやわらかく解説した本。僕らが何かものを買う時、「物だけではなくサービスも含めて買っている」という考え方や、買うまでの移動や情報収集もコストとして考えるという考え方はとっても納得できる物だった。コンビニが新しく出店するならどこ?といった事例もあったけれど、ケータイにまつわる価格体系についての章が一番実感もあってわかりやすかった。
それよりも興味が行ったのが「比較優位」という考え方。自分の能力をきちんと見極めて、それが活かせるポジションを見つけてそこで確実な仕事をするという方法が、なんだか僕に会っているようで興味深く読んだ。