ブログを再開した手始めに最近読んだ本の感想でも書こうかと思って、直近の4冊をあつめたら、あらと気づいた。すべてITベンチャーの本なのだ。買った時期はバラバラ、中には1年前に買った本もある。読んでるときは全然意識してなかったんだけど、不思議と繋がっちゃうのですね。以下読んだ順。

起業ってこうなんだ!どっとこむ
藤田 晋 (著), 米倉 誠一郎 (著)
-FLOSS
とにかく失敗しろ、異質な視点で考えろ、
現場に出よ、いい加減になれ、バカになれ-
お約束ですね。藤田さんの本の中では一番学ぶところが多い本だと思う。サイバーエージェントの事業紹介の部分もかなりあるけど、仕事の事、組織の事、上場の事、そもそもの経済の事など体系だって流れるように学べる。この後の本を読んでその思いは強くなったのだけど、サイバーエージェントは楽天やソフトバンク、ライブドアなど財閥的発展をしている企業とは路線が違う。かといって、はてなやGoogleのような技術的発展をしている起業とも違う。どれが残り成功するのかは分からないけれど、みんな自分の道に自信を持ち集中して走っている。
大企業では小さいビジネスがしにくい、自社の株を村上ファンドに売ったソフトブレーン、短期の利益を考えながらも長期の利益を出す、理想と現実のギャップを埋めるのが経営、教育はアウトプット型がいい、といった事が強く印象に残った。

幻想曲 孫正義とソフトバンクの過去・今・未来
児玉 博 (著)
-好調な決算を背景に「後は孫社長の体調だけが心配」との声もあった。
これに対して孫社長は「前髪は危機的状況だが、健康状態は至って健康。
表面的にはワンマンのように映るかもしれないが、実際は組織で動いている。(以下略)-
脚色されているとは分かりつつも、今の飄々とした童顔の孫さんからは微塵も感じられない、もの凄くもの凄く濃い生き方に一緒に流され一気に読んだ。在日三世として今メディアには多くを語らない幼少期、事業の立ち上げ、孫さんが描いた夢を次々と形にしそして必ず去っていくブレーンたち、タイムマシーンと時価総額経営、病。そして夢を描いてくれるはずの実務者の自殺など。
読みながら思った。出てくる企業名や事業内容は時代を感じるけれど、やっている事は今の楽天やライブドアがやっている事と同じ。もっと言えば、10年20年前に孫さんが体当たりで四苦八苦しながらやってきた事を、時流も手伝ってスマートにやっているのが楽天やライブドア。M&Aは時間と顧客を買えるという言葉が、印象的だった。
折しも今日、ソフトバンクはEBITDAベースでの過去最高益を発表した。冒頭の言葉はその発表での言葉だけど、そこに至る過程を知れるこの本はぜひぜひ読んで欲しい。おすすめ。

楽天の研究―なぜ彼らは勝ち続けるのか
山口 敦雄 (著)
楽天をネットビジネス期とファイナンス期に分け、各取締役のインタビューで楽天の様々な顔を照らし出し、全体像に迫ろうとする本。全体的にネットのインタビューや一般に知られている事が多く、あまり深く掘り下げられていないのが残念。

ライブドア資本論
佐々木 俊尚 (著)
-巨大な放送業界と堀江貴文。
それはたとえて言えば、恐竜と小型ほ乳類みたいなものである。
恐竜はいずれ滅びる事を運命づけられているとはいえ、
未だに栄光の大恐竜時代の最後の残滓を謳歌している。(中略)
「おまえらはもうすぐ滅びるんだぞ!」「いずれは俺たちの天下になるんだぞ」
とかみついたとしても、恐竜の方は何の痛痒も感じていない。
「うるせぇなぁ」と小型ほ乳類を後ろ足で引っかけ、遠くに投げ飛ばしてしまうだけなのだ。-
堀江さんの登場は日本社会の歴史的必然であり、日本経済が迷走の末に産み落とした赤子であるととらえ、その背景を紐解く事で彼を解き明かそうという本。ライブドアとフジテレビの戦いを軸に書かれている。MSCBの仕組みがやっと分かった。まだ人に説明できないけど。
一番興味深かったのは、戦前の地方財閥からの直接金融⇒戦中の政府が生産をコントロールするための政府→銀行→企業の間接金融⇒戦後の財閥解体や証券不況による買収危機などから官僚主導での株持ち合いや間接金融となり、現在に至る流れ。そして金融ビッグバンがあり新興企業が生まれる現在に至っている流れ。全ては偶然にも必然にも見え、その中で生きていることをとても不思議に思う。日本人は元々協調性がないのではないかという解釈も、自分の中では新しい発見だった。
そして話は堀江さんに迫り、堀江さんを是とするか非とするかは、日本がこれまでやってきた事への踏み絵であると解く。
今となっては全ての内容が今のライブドアに繋がるように見えてしまうけれど、僕は堀江さんがやってきた事がまっとうなことではなかったことが残念でならない。誰かが書いていたけれど、世界一の記録を出したアスリートがドーピングだったときのような感覚。
ちなみに僕はなるほど、とかへぇとか感動したところには付箋を貼るのですが、この4冊で一番付箋を貼ったのはライブドア、逆に一番少なかったのは楽天でした。この無意識の結果の中にも、何かの意識が働いてるのかも、しれない。
※尚、全部個人的な、意見です。