Posts Tagged ‘愛’

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

2008/04/07(Mon) Book

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 表紙
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
A Lollypop or A Bullet
桜庭 一樹 (著)

生き残った子だけが、大人になる。

桜庭一樹が少女には向かない職業少女七竈と七人の可愛そうな大人よりも、赤朽葉家の伝説よりも前に書いた本。ネットをみると評価が高いのだけど、個人的には淡々と読み終わってしまった。どうも本自体と言うよりも、桜庭一樹という作家の作品歴の中でのターニングポイント的な文脈で読まれているみたい。

直木賞を受賞した「私の男」はまだ読んでいないけれど、この人の本では一貫して少女が描かれている。個人的に一番好きな「赤朽葉家の伝説」は、少女を描いているという点では一貫しているけれど、同じ作家とは思えないほどの違いがある。僕はどうしても「赤朽葉家」の桜庭が好きなので、ほかの本にはそこまで入り込めていない。

一人の作家の本をここまで読んでいるのは初めてなので、桜庭一樹の主要な本をすべて読み終えることができたら、いちど作家という視点で複数の物語を俯瞰してみてみたい。

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(2) 善意の指針は悪意

2008/03/08(Sat) Book

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 善意の指針は悪意 表紙
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
善意の指針は悪意
入間 人間 (著)

やっぱりマユは良いなぁ、幸福を原料抜きで生成する。
悩みなど手品の鳩ぐらい鮮やかに消滅してしまった。

うーん。おもしろいのはおもしろいんだけど、ちょっと文章壊れすぎ。誤記か誤植かと思うような文章が続いて、読むのが疲れる。美しい日本語が読みたくなる。前作に比べると、どこかで聞いたような言葉が目立った。

前作に続き、主人公は不安定な場所に生まれた見返りを求めない愛をしてるのかなぁと思ったりもするけれど、どこかで自己満足という見返りが生まれていることも本人はたぶん自覚してるんだろうな。

一見狂ったような行動ばかりしているみーちゃんですが、今回の登場人物の中では一番悪いことをしていない。まあ、ほかの人たちもしようと思ってしたわけではないんだろうけれど。表面上狂っている人が一番そうでなくて、表面上普通な人が一般的には悪いとされていることをしているという、サブタイトルのうまさに関心。

葉桜の季節に君を想うということ

2008/02/10(Sun) Book

葉桜の季節に君を想うということ 表紙
葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午 (著)

あたしにあたることで気が晴れるのなら、いいことじゃない。外で暴れたら命がいくつあっても足りない。

人はよく、「好き・嫌い」と「良い・悪い」を混同して評価してしまうが、俺はきちんと区別するよ。

ミステリ。真相が分かった一文を読んで、おもわず「えーっ」と声に出してしまった。ちなみに僕は、ミステリは謎を解きながら読むのではなく、著者の思惑通りに読んでびっくりしたいという読み方です。ただ、アマゾンのレビューでも結構賛否分かれていて、僕の「えーっ」も「そういう展開ってあり?」という意味なので、これはナシだろっておもう人も多いかも。

一つ前の「インシテミル」とは異なり、この本はキャラクタの深みがとてもある。書き込みが多いわけではないのですが、その仕草やぽつっと語る一言から心の中で描かれる風貌がとても生き生きとしていて、一人一人が愛おしい。後半ある登場人物が亡くなってしまった時は、涙が出た。本当に死んで欲しくなかったと想った。このキャラクタを演じられるのは、木村多江か奥貫薫しかいない。

真鶴

2008/02/10(Sun) Book

真鶴 表紙
真鶴
川上 弘美 (著)

夜の九時頃って、人は何を考えるのかしら。聞いた。
さあ。夜の三時や、あけがたの四時に感じることならば、知っているけれど。
青磁の答えに、顔をあげた。三時や四時?
三時は、少しの希望。四時は、少しの絶望。

「失踪した夫を思いつつ、恋人の青茲と付き合う京は、夫、礼の日記に、「真鶴」という文字を見つける。“ついてくるもの”にひかれて「真鶴」へ向かう京。夫は「真鶴」にいるのか?」という紹介文から、ミステリのようなものかと思っていた。でも実際は、何ともつかみ所のない、化かされたような感覚になった本。

感情の表現や、それを言葉に落とす時の日本語の使い方がとにかく美しい。全体を通すととても静かな文体なのだけれど、その中に鮮やかに感情や情景が浮かんでくる。女性の主人公の心理描写の中には、愛おしいあまり狂気に変わってしまったような表現や、男の僕には何とも理解しがたい心の動きがあったけれど、女の人が読めばまた違うのだろうか。

特にベットシーンの描写が、今まで読んだどの表現とも違う。露骨な表現はしていないのだけれど、けして避けて書いているわけでもない。その行為を通じて形作られる二人の心情についてはもの凄く鮮やかに描かれている。そしてそれがまたとても美しい。

「ついてくるもの」や、「夫はどこへ行ったのか」については、最後まで僕ははっきりとした答えが分からなかった。一応の解釈が出来るようにそれらしいことは描写されているのだけれど、なんだか狐に化かされているような、どこか信じ切れない読後感。

桜庭一樹 直木賞受賞

2008/01/19(Sat) Clip

芥川賞に川上未映子さん 直木賞は桜庭一樹さん – 朝日新聞

第138回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に川上未映子(みえこ)さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)が、直木賞に桜庭一樹(さくらば・かずき)さん(36)の「私の男」(文芸春秋)が選ばれた。

私の男 表紙
私の男
桜庭 一樹 (著)

前回の直木賞では受賞を逃した桜庭一樹が受賞。正直この賞の意味とか意義はあまりよく分かっていないのですが、これからもこの人の本を読んでいける時間が増えそうだという意味ではうれしい。いままで読んだ本を作家別にすると森博嗣とこの人の本が結構多いと思うし、一番好きな本は「赤朽葉家の伝説」だし、まだそんなにメジャーでない頃から知ってるぞと言うASAYANの頃のモーニング娘。的感情も交わり。

受賞作の「私の男」はまだ読んでないので読んでみたい。「赤朽葉家の伝説」で受賞して欲しかったなと、ちょっとだけ思いますが。

桜庭一樹の読書記録
赤朽葉家の伝説 表紙
赤朽葉家の伝説

iwalog : 赤朽葉家の伝説 – 2007-06-28


iwalog : 少女七竈と七人の可愛そうな大人 – 2007-06-17
iwalog : 少女には向かない職業 – 2007-06-30



iwalog : GOSICK – 2007-06-30
iwalog : GOSICK II – 2007-07-07
iwalog : GOSICK III – 2007-07-15
iwalog : GOSICK IV – 2007-07-16
iwalog : GOSICK V – 2007-08-11
iwalog : GOSICK VI – 2007-08-11


iwalog : GOSICKs – 2007-07-16
iwalog : GOSICKs II – 2008-01-03

新 ブラックジャックによろしく 3

2007/12/26(Wed) Book

新 ブラックジャックによろしく 3
新 ブラックジャックによろしく 3
佐藤 秀峰 (著)

-僕は冷たい人間です…

 僕の知らない誰かが、僕の知らない場所で亡くなっていっても、
  僕は涙を流しません…

 悲しい気持ちにはなるかもしれないけど…
  出会っていない誰かのために僕は何もできません…
   僕が助けたいのは赤城さんです…

 仮に99人の患者を救えたとしても、
  本当に救いたいたったひとりを救えなければ意味なんてないんです…-

進歩がないとか、気持ち悪いとか、Amazonでは酷評されてますが、引用した言葉は真実じゃないかと思う。故に、そうではないと信じたいから人はカタルシスのある物語を求めるのに、この物語はそうではない。

1週間ほど前に、ネットでとあるビデオを見つけた。僕もネットでいろいろな動画とか画像を見てきた方だと思いますが、この動画は最初は最後まで見る事ができなかった。あまりにも凄惨で、興味本位で見るべきではないと思うので、迷ったけどこのブログからはリンクは貼らないでおきます。簡単に言うとスプラッター系です。見る意志のある人は直メールでも下さい。

とはいえ、決して興味本位で撮られたものではなく、ドキュメンタリーとかジャーナリズムとかの意志に基づいて撮影された、とある場所で起きたある出来事を取材したもの。ただ、そこに展開されるリアルがゲームや映画や日本で見る事ができる報道とは度合いが違いすぎる。映像その物にもショックを受けるし、そこで展開されている事を行っているのが僕と同じ人間である事が痛ましくてならない。涙さえ出ない。

それが起きた経緯を調べてみると、僕が追っていっただけでも日中戦争までさかのぼる。おそらくもっと昔から繋がっているのだろうと思う。それを見た僕は、何もできない。僕が痛みを感じれない人間だといわれてしまえばそれまでだけど、結局本当に痛みを感じる事ができる範囲はとても小さくて、さらにそれをフォローできる範囲はさらに小さい。僕にできる事は何もなくて、こんな動画見なければよかったと思ったけれど、それでもやっぱり直視しなければいけない事だと思って最後まで見た。

社会が成熟していないとか、宗教の悪い面と簡単にまとめる事もできるのだけれど、その映像の中で動いているのは僕と同じ人間。とても絶望してしまう。だからといって、人類愛とか、世界平和とか、そういう思想には全く共感できないし、何かが変わるとも思えない。いろいろ考えて結局僕が思ったのは、そういう世界があるが故に、目の前の世界を、自分の目に映るとても小さな範囲であっても、あるべき姿に保とうとする事しかないんじゃないか、というありふれたもの。例え何度壊されても、それを作り続ける事ぐらいしか、僕にできる事はないんじゃないだろうか。

iwalog 2007年の振り返り

2007/12/25(Tue) Diary

そろそろ今年も終わるので、iwalogの振り返りなど。今年1年で232本(2日に1本ペース)の記事を書いたのですが、その中から主要カテゴリ毎にいくつかを選んでみた。

■Book(64件)
今年読んだのは64冊。年間でならすとだいたい1週間に1冊ペースですが、4?9月に集中していて年明けと10月以降はほとんど読んでおらず。身になったものもあればそうでないものもあり。全体的に小説が多く、「すべてがFになる」と「赤朽葉家の伝説」に出会えたのは大きかった。とはいえ、影響を受けたものはノンフィクションのものが多かった。

・01月14日 すべてがFになる
・06月10日 現代語訳 般若心経
・06月23日 僕はパパを殺すことに決めた
・06月28日 赤朽葉家の伝説
・09月02日 隠された風景

■Clip(51件)
結構Clipしてると思ってたけど、Bookより少なかった。要は時事ネタ批評コーナーなのですが、コメントをもらう数が一番多いのはこのカテゴリかも。小さい頃はなんで大人って新聞とか読むんだろうと思ってましたが、いつの間にか毎日主要5紙のサイトを巡回するようになってしまいました。

・08月30日 人柱
・09月17日 匿名の批判
・09月19日 安倍さんよりも悪い人
・11月12日 赤ちゃんポスト
・12月12日 好きを貫く人をつくる人。

■Diary(61件)
公私ともにいろいろあった1年。1年の間に事業の立ち上げと終了を経験することは、なかなかないかも。「たまには書評以外のことを。」で自分が書いていることを、忘れないように(いいこと書いてる)。

・01月19日 たまには書評以外のことを。
・06月09日 菊の花の中で
・09月14日 それは首相の辞任のようで。
・09月24日 打ち上げ花火を左右から見た僕と彼女の関係。
・11月14日 105年の人生の終わり

■IT(29件)
nanacoとかtwitterとか、もう全然使ってないな。。。nanacoはためたポイントのExitがしにくい。毎日使うのが数百円とかの少額なので、ポイントも全然たまらない。ポイントをためるメリットより、チャージしたお金がセブンイレブンでしか使えなくなるデメリットが大きいからかな。SUICAは使ってる。

・04月16日 twitterはじめました。
・04月23日 nanaco
・07月10日 W52SH
・10月17日 外付け500GBHDDを買った。
・11月05日 iPod touch

■Movie(13件)
とりあえず、ヱヴァの新作と序のDVDが待ち遠しいです。

・05月12日 ゆれる
・09月25日 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序

思うに、書きたいときにばーっと書いて、それ以外の時は細々と、というペースが僕にはあっているようです。翌日にはもう忘れていそうな一瞬の感情も結構書き留めていて、後から振り返るといい教訓になったりするので、来年もこんな調子でやっていこうかと思います。来年もご愛読よろしくです :-) > 読んでくれているみなさま。

#ふと、このブログを読んでくれている人の中で、僕と面識のない人ってどれくらいいるんだろう、と思う。検索から飛んできて一瞬だけ見る人は置いておいて、RSS購読してる人だとほとんどいなそう。

子供を引き取りたい

2007/12/18(Tue) Clip

子供を引き取りたい – 発言小町 – YOMIURI ONLINE

私にも今は娘がいるのですが、この時の養母のように、世界で一番愛しい子の手を離して笑顔で行っておいでと言う勇気が自分にはあるだろうかと時々考えます。

子供がいないトピ主が、両親のいない子を引き取ろうか迷っている所から始まる投稿。トピ主が、子供を育てた事がないから引き取るのが不安だと書いているけど、そもそもお母さんになる人はみんな初めてなんだよね、と思った。そう思うと母って凄いなと。もちろんこのケースは血が繋がってないし途中からだからより特殊なんだけど。

もうひとつ、トピ主が引き取ろうと思った最初のきっかけが「かわいそうだと思ったから」という事について。こういう話に限らず、なんとなく「偽善」だとか「哀れみ」だとささやいてくるもう一人の自分がいて、今までこういう話に素直に感動できなかったんだけど、それ以外のキッカケから引き取る事はあまり考えにくいし、「かわいそうだ」と思う人はいても実際「引き取る」人はそうはいないわけで、結局それはキッカケで最終的には「覚悟」の問題なのかもしれないなと納得できたら、目から塩水が出てきた。

もろもろ雑記

2007/12/11(Tue) Diary

いろいろ書きたい事はあるんだけれど、なんだかまとまらないので、もやもやしたまま最近思っている事を全部書き出してみる。

・今日もページをたくさんつくって疲れたので、BINDはお休み。どうやら解説ページと使っているものとのバージョンが違う気がしてきたので、明日はそれを注意してみてみよう。あとホストからHTTPが繋がらない件はファイヤーウォールをチェックしてみる、という明日の自分への伝言。

・よく分析とかする時には、客観的にデータを分析して相関関係とか予測をたてたりすると思うのですが、必ずしもそれは当たらないわけです。特にマーケティング的な事において。なんでなのかなーと思っていたら、ふとそれらの調査対象はそれぞれが主観を持って動いているからではないかと思った。これも僕の主観ですが。

・某氏へのクリスマスプレゼントが外国から手元に届いた。週末にラッピングとクリスマスカードを買いに行こう。気に入ってくれるといいのだけど。

・ちょっと前に、妹から、クリスマスと誕生日と成人祝いでプレゼントが欲しいとメールが来た。よしよし買ってあげようと思ったら、一つじゃなくてそれぞれのイベントで一つづつ、計3つ欲しいと言ってきた。こんな時だけなんて都合がいいやつなんだと若干イラッとしつつも、良い兄でいるために「いいよ」と返事しようと思ったけど、お財布と相談して「ひとつだけ」と返事した。妹ももう二十歳ですか。早いもんだ。ベビーベットに寝ている生まれたばかりの妹の顔を見ている記憶だけ、やけに鮮明に残っている。

・吉野家とかケンタッキーとか、個人ブログによる企業の炎上が続いている。いや、たぶん前から書いている人はいたんだろうけど、それが過敏報道で立て続けに表沙汰になっているだけだと思う。このブログはオープンなので、これでも書く事には気を遣っている(その割には仕事仲間も見ているのに仕事に迷ってるとか書いてるのはご愛敬)。やっぱり居酒屋で話す話はそのままブログにかけない。このブログの記事の多くが事件や事故についての感想や書評が多いのも、一応普段の「行動」よりも「思考」を書くように気をつけているからなのです。うちの会社の人たちは、「プライベートでどこに行った」とか、「飲み会でこんな事をした」とか、「仕事でいまこれをやっている」とか華やかで個人が特定される事ばかり書いているけれど、それって大丈夫なの?とちょっと心配になったりする。

・タバコをすってたら、とある人から声をかけられ少し話す。今の状況を少し気にかけてくれているようで、申し訳ないと思いつつも、ありがたいなとも素直に思う。とりあえずグレたりしないように、年が明けるまでおとなしく。明けたら何かがあるわけではないんだけど。

煩雑になってしまいましたが、少しだけスッキリ。

みんないっしょ。

2007/11/19(Mon) *Pickup, Clip

[N] 浦和の中心で愛を叫べ

だからもう一度、ここに戻ってきました。ここで書き続けます。また、どうぞよろしく。

みんないっしょなんだねと思った。身近な人でも亡くなってしまうということも、その後のふわふわしたような気持ちも、その後も生きていかないといけないことも。絶望のようで、安心感もある、不思議なルール。

知っていることと、理解する事ってやっぱり違うくって、よく「なにげない日常が一番幸せ」みたいな事が言われますが、そうだなぁと思います。「なにげない」って、「何もない」わけではなくって、家があって、親がいて、兄弟がいて、ペットの犬とハムスターがいて、友達がいて、会社があって、、、と結構いろいろあるのです。

でもそれは、ある日ふとそれらのどれかが欠けるまで、見えてこないものなのです。そして、欠けるともう元には戻らないものなのです。