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違和感の正体

2008/08/20(Wed) Society

産科医に無罪判決 帝王切開での女性死亡事故 福島地裁 – 朝日新聞

福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性(当時29)が死亡した医療事故で、福島地裁(鈴木信行裁判長)は20日、業務上過失致死と医師法違反罪に問われた医師、加藤克彦被告(40)に無罪(求刑禁固1年、罰金10万円)を言い渡した。事件は、治療における医師の判断、手術法の選択にまで捜査当局が踏み込んだものとして注目されていた。

ジーンワルツ – 海堂 尊

医療は学問ではなく、社会システムです。医学は単なる学問。医学という土台の上に、国民の意思で医療という家を建てるようなもの。そこでは医学の結果と正反対のことが行われることもあります。

ミクロで見たときに生まれる悲しい感情を、マクロで見たときに見える全体最適化という理屈で均等を保とうとしてまだ揺れている感じではありますが、基本的には正しい判断じゃないかと思う。でも何か違和感があって気持ち悪かったんだけど、その正体が分かった。

以前読んだ「ジーンワルツ」という本で、出産というものがそもそも危険を伴う行為だと言うことは何となく分かった。というか、この本自体が今回の事件をモチーフに書かれたと言われている。医者は神じゃないということも理解しているし、きちんとやっている医者はどんどんお金もらえばいいと思ってる。

でも、今回の事件では日本の医療業界が一丸となってサポートしている。以下主要なものを引用。

大野病院医療事件:帝王切開の医師に無罪判決 福島地裁 – 毎日新聞

吉村泰典・日本産科婦人科学会理事長は「被告が行った医療の水準は高く、医療過誤と言うべきものではない。癒着胎盤は極めてまれな疾患であり、最善の治療に関する学術的な議論は現在も続いている段階だ。学会は、今回のような重篤な症例も救命できる医療の確立を目指し、今後も診療体制の整備を進める。医療現場の混乱を一日も早く収束するため、検察が控訴しないことを強く要請する」との声明を出した。

大野病院医療事件:判決に被告は安堵 遺族は目を閉じ… – 毎日新聞

加藤医師の支援活動をしてきた上昌広・東大医科学研究所特任准教授は「今回のような医療事故を法廷で真相究明することの限界が明らかになった。当時の医療体制の根本的な議論がないまま、医師の過失の有無だけの争いとなっていた。これを機に医療事故における業務上過失致死罪の適用について国民的な議論が必要。司法関係者も、医療事故に刑法を適用することの是非をもっと議論すべきだ」と話した。

大野病院事件「妥当な判決」 日産婦学会が声明 – 産経新聞

同学会医療問題ワーキンググループ委員長を務める岡井崇理事は「今回のケースは逮捕する理由がなかった。たとえ患者への説明が不十分だったとしても、医師に刑事罰を与えることにはつながらない。医療を知らない警察が最初に捜査を行ったことが問題。まず、専門家が第三者機関を設けて調査すべきだと事件を通じて率直に感じた」

日本生殖医学会も歓迎 大野病院事件無罪判決 – 産経新聞

大野病院事件の無罪判決について、全国約4900人の産婦人科や泌尿器科の医師らで構成する「日本生殖医学会」(岡村均理事長、東京)は20日、「極めて適切な判断と考え、歓迎する」との声明文を公表した。

声明文では「医療提供者には常にベストを尽くして治療する義務がある」とした上で「全力を尽くしても、治療結果は個別で異なり、最終的に最悪の結果になる場合がある。これは社会の常識で、法律上も正しいと判断された」などとしている。

繰り返すけど医者は神じゃないと思っているし今回の判決も正しいと思っている。でも、今回感じた違和感というのは、これら医療業界の人たちが「訴えてんじゃねーよ」「何も分かってない警察や検察が口出すんじゃねーよ」「部外者には分からない世界なんだからこういう事が起きても内部で処理するよ」と本音の部分で思ってるんじゃないかと思ってしまうこと。

「検察が控訴しないことを強く要請する」とか「歓迎する」とか、被害者がいる事件について公の場でこういうことを言う神経がよく理解できない。報道を見ている限り当事者の医師はそうではないように思えるのが救いだけど。事件そのものについては、検察ではなく遺族が司法の場での決着を望むなら遺族が原告になって訴えるのがよかったのではないかと思う。

5年間が詰まった1,000件のエントリ

2008/08/15(Fri) *Pickup, Diary

iwalogを書き始めてから、丸5年になりました。25年間しか生きていない僕の5年間、僕の人生の10分の2が、ここに記録されています。そして、このエントリで、iwalogのエントリが1,000件になりました。まあ、よくも飽きずに書いたものです。これだけ続いたのなら、今後も僕が生きている限り続くだろうと思っているのですが、そのときネットはどうなってるんだろう。ブログなんて、古いサービスの一つになっているのかな。

相変わらず一つの所に定住しない僕の性格は今年もそのままで、今年は東京から福井に。しかし、さすがに福井に来たからには、来年また別の所に住んでいるってことはないだろう、と自分では思っているのですが、仙台とか福岡にも若干興味があったりします。まあ、これは自分で書いていてもないだろうなと思うけど、どうなるかはわからない。

よく、若いときはいろんな経験をしろ、いろんな所に行ったり、いろんな遊びをしたり、いろんな人と出会ったりしろみたいなことを言われますが。僕は自他共に認めるほどネットしかやってきていない。ネットというとインドアなのであんまり健全なふうには見られないことの方が多いのですが、前述の言葉の意味が好きなことを思いっきりしろという意味なら僕は間違いなくしているので、このままでいいのだ、と開き直り始めた。

いい年して、いまだに「仕事」をする、という意識が持てない。中学生の時に趣味でパソコンをいじっていた時と同じ気持ちで、コードを書いたり、ディレクションをしたり、クライアントの所に行ったりしている。今年で仕事を始めて丸8年、9年目に突入しますが、好きなことをして遊んでいるという意識しか持てない。いいのか悪いのか分からないけど、とりあえずこのままいけるところまで走っていってみようかなと思う。

これまで読んでくれている方、ありがとうございます。今後も駄文が続きますが、よければお付き合いください。

佐々木俊尚さんの有料メールマガジンを購読してみた。

2008/08/11(Mon) IT

福井にも度々講演しているらしい(そのとき僕は東京にいた(涙))佐々木さんが有料メルマガ「佐々木俊尚のネット未来地図レポート」を発刊したので、少し迷ったが買ってみた。まだ2号しか読んでいないけれど、このクオリティが続くのであれば断然買いだと思う。

著者の本は「Google 既存のビジネスを破壊する」しか買ったことがない。しかも、1年以上前に買って未だに読んでいない(ごめんなさい)。なんでかというと、これは著者も言っているけれど、ネットで旬になってから書籍化までは数ヶ月かかるので、本が出るまでにはネットのニュースサイトや個人のブログで読み尽くしてしまい、本が出ることにはだいたい自分の頭が整理されているのでわざわざ買わない。買ったとしても、手に届いたときにはそのテーマへの興味が薄れてしまっていて、結局読まない。

1号のテーマはcookpadを例にとったマイクロインフルエンサーについて。2号のテーマは「ケータイ小説と地方のマーケティング」についてだった。ちょうど数日前のエントリで「恋空の映画が見るに堪えなかった」という事を書いていたのでタイミング良く読んだのだけれど、これを「ケータイ小説は若者のソーシャルメディアになる」みたいなタイトルの新書にしてると数ヶ月かかって旬が過ぎてしまうので、メルマガというメディアはちょうどいい。

そして、これは思わぬ効果だったけれど、お金を払っているので真剣に読む。まぐまぐから来るメルマガなんてさっと見てすぐ捨てるけど、著者のメルマガは元をとろうと読み返して租借するまで読んだ。メールに返信すれば著者にメッセージを送れる。月1,000円で4回届くから1通250円、新書はだいたい1冊800円程度。ボリュームだけを見ると少し高い気がするけれど、タイムリーなテーマ選定でカバーしてくれればむしろお得かもしれない。

佐々木俊尚のネット未来地図レポート

iPhoneと過ごした1ヶ月の快適と不便

2008/08/10(Sun) Mac

そろそろiPhoneを買ってから1ヶ月。めぼしい機能や生活のシーンでだいたい使ったと思うので、良いところと悪いところのまとめなど。

■良いところ
・意外と電池が減らない
最初使ったときは電池がどんどん減ってってツカエネーとか思ったんだけど、それは珍しくて一日中さわっていたから。普通に生活していれば仕事もするし移動もするわけで、本来の使い方である空き時間や必要なときにさわる程度になってきたら、1日使っても50%くらいは残る。

・SMSが楽しい
日本では様々な制限があるので今のところiPhoneを持っている人同士としか使っていないけど、SMS(auでいうCメール)がかなり楽しい。「メッセージをやりとりすること」そのものが楽しくなる。

・予定表がいつでもどこでも参照・編集できる
やっと安定してきたMobileMeを使って、電話中でも、飲み会の最中でも予定の調整とか確認が出来て、ちょっとしたタスクをその場ですぐ解消できるのは、余計なことを覚えておかなくていいので快適。

ちなみに、これだけをとりだせばGoogle カレンダーのモバイル版を使えば既存の携帯でも出来る。というか、予定表に限らずiPhoneの様々な機能はいろいろなソフトやツールを組み合わせれば既存の携帯で実現出来る。できるのだけど、ボタン一発で立ち上がったり閲覧性がよかったりして、快適さが違う。歩いて東京まで行けと言われれば行けるけど、新幹線で行った方が快適だよね、というのと同じ話。

・ポケットの中がすっきりする。
地味だけど、大きい。

■悪いところ
・Safariがよく落ちる
Version 2.0.1になって少しはましになったけど、2chのまとめサイトのような大きいサイトを見ているとよく落ちる。一応いつ落ちてもいいような使い方をしているので問題ないけれど、めんどい。一番使うアプリなので、今度のOSアップデートでの改善希望。

・ケータイメールが送れない
iPhoneのメールはどうやってもPCメール扱いになってしまうので、迷惑メールやPCメール拒否をしている人とのメールのやりとりが出来なくなってしまった。毎回設定変更をお願いするのも忍びない。まあ、電話すれば解決なのですが。

・まともなアプリが少ない
これはまだ酷な話かもしれないけれど、ジョークソフトとかゲームはいっぱいあるんだけれど、ToDoを管理するOmniFocusやTwitter閲覧ソフトのTwitterrificのような、実際使えるアプリが少ない。逆に言えば開発者にとってはチャンスがあるということ。僕も今覚えているCを覚えたらObjectiv-Cを覚えてiPhoneアプリ作ってみたい。

・日本語入力があとちょっと…
Version 2.0.1になってだいぶましになったけど、もうちょっと、あと一歩の改善希望。たまにもっさりするので、入力速度の支障にならないくらい安定してほしい。

こんな所でしょうか。いろいろあるけど間違いなく買って良かったと思う。

ニコニコカラオケと同級生飲み

2008/08/10(Sun) Diary

金曜日は、id:jdgchikurauyuyu.netと飲み。id:jdgとは初めて会ったのだけど、酔った調子で今すぐ会社辞めて転職しちまえーとハッパをかけてしまってちと反省。福井のネットに関わる仕事をしている20代が少ないので、コミュニティを作ろうかという話になったけど、そのゴールがいまいち見えないのでちと考え中。。。

その後久しぶりにカラオケに行ったのだけど、「創聖のアクエリオン」、「エアーマンが倒せない」、「GOD DIVA」、「おら東京さ行くだ」とニコニコネタ満載だった。chikura氏が「GOD DIVA」のイントロの超高音まで歌うとは思わなかったが、MAD映像や弾幕がないのでちとさびしい。今度はPCでも持ち込むか。

土曜は小中学校の同級生R氏と飲み。mixiで見つけて10年以上ぶりの再会だったけど、小学校のままの風貌だった(女は大化けするけど…)。今でも音楽に関わる仕事をしていたのは勝手に嬉しかった。バンドのまねごとのようなことをした話、秘密基地(?)を作った話、汚い川で泥にはまって抜け出せなくなった話、とか、話してるうちにいろいろ思い出してきた。

しかも、二人で飲んでたらとなりの席の人が「ちょっといいですか…もしかして…」と話しかけてきて、その人も同級生だったという福井は狭いねという話。しかし、小学校から現在までの時間を共有していなくて一足飛びなので、同級生が社会人になって働いているというのは未だにちょっと信じられないような感じがする。

退職と帰郷

2008/08/02(Sat) *Pickup, Diary

ブログでのお知らせが遅くなりましたが、7月で東京の会社を退職し、引っ越しを終えて、今日福井に帰ってきました。2005年3月に東京に出てから、約3年半の東京生活でした。これからは、福井で暮らします。

東京で過ごした21歳から25歳までの3年半は、とっても楽しかったなぁというのが率直な感想です。いろんな人と出会い、いろんな経験をし、いろんな思い出が出来ました。東京に行って間違いなく良かったと思うし、逆に行かずにずっと福井にいたらと思うとちょっと怖い気さえします。過去の自分が幼く見えるということは、少しは成長したということでしょうか。

最初の会社がいろいろと細かいことに厳しい会社で、初めて社会に出た僕にはそれはそれでいろいろと覚えることが出来て良かったのかもしれませんが、東京に来て視野が広がりました。ゴールだけ決めれば、服装も、考え方も、やり方も自由という仕事のやり方。今では僕もそれを当たり間のように受け入れていますが、東京に来た当時は新鮮でした。こんなに自由でいいんだーと。

そうやって仕事をしている中で、いろんな人達に出会いました。逆立ちしてもかなわないと思うようなすごい人や、仕事に命を注いでいる人や、反対に仕事以外に生き甲斐を見つけて仕事をそのお金を貯める手段にしている人、すごい大学出た人、かっこいい人、かわいい人、おもしろい人、綺麗な人、気が合う人、合わない人、自分とは全く違った考えをする人。。。ほんとうにたくさんの人に。

そういう人達を通じて、自分の考え方や物の見方が少し広がったような気がします。その中の何人かとは、福井に帰ってからも繋がりを続けられそうで、それが東京に来て得られた一番大きいものだったんじゃないかと思っています。

そして、その人たちといろんな経験をしました。終電が無くなって始発まで飲んだことも、仕事で徹夜したことも、動かないシステムを前に四苦八苦したことも、サービスを立ち上げたことも、サービスを閉じたことも、困ったことも、悩んだことも、怒ったことも、息が出来なくなるくらい笑ったことも。。。ほんとうにいろいろな経験を。

東京の皆様、3年半ありがとうございました。田舎者の不束者でいろいろとご迷惑をおかけしましたが、とても楽しい時間の中で、いろいろな経験を通じて、ちょっとだけ成長出来たような気がします。福井に帰ってもブログは続けていくので、たまにはのぞいてみてください。東京に行くことがあれば、遊んでやってください。

福井の皆様、これからよろしくお願いします。正直なところ、富山・新潟・石川・東京と県外ばかりに住んでいて福井にちゃんと住むのは18歳以来なので、福井の暮らしに適応できるか若干不安だったりします。8月中はゆっくりしようと思っていましたが、帰ったら帰ったで早速あんまりのんびり出来ない状況になってしまったので、またぼちぼちやっていこうと思っています。そんな、25歳の夏の記録でした。

iPhoneを使ってみた印象。

2008/07/12(Sat) *Pickup, Mac

iPhoneについて書こうと思ったんだけど、機能レビューとかはさんざんやられてるし、楽しさや魅力はさわってみないと伝わらないと思うので、ざっくりとした印象を。

まず、いわゆる普通のケータイユーザはやっぱり買うべきではないです。だって、iTunesでアクティベーションしないと警察と消防への電話しかできないし、ケータイメールは自分でIMAP・SMTPサーバ設定しないといけないし、最初のハードルは結構高い。mixiのiPhoneコミュとかみてると初心者が悲惨なことになってる。やっぱり、ある程度PCを使ってきたユーザしか楽しめないと思う。個人的にもいろんな設定に結構手こずった。やっぱり、携帯電話を買ったというよりちっちゃいパソコンを買ったという感覚に近い。

なので、おそらくアップルは「日本」で爆発的に売れるとは思ってないだろうし、しかもそれでいいと思っているんだろうと思う。「日本という小さなマーケットでCDを100万枚売るよりも、世界の10カ国からそれぞれ10万枚づつCDを売るほうが作品のクオリティーを落とさないで済む」と言ったのは坂本龍一ですが、それと同じ考え方だろうと思う。現にiPhoneはiPodが3年半かけて達成した600万台という数を1年で達成していて、アップルもそれなりに満足しているのでは。

そういった最初の敷居の高さはあるけれど、それを乗り越えると普通の日本の携帯では見ることが出来ない景色を見ることが出来る。新しいかな入力キーボードはケータイキーボードより素早く入力できるし、ポケットの中がすっきりするし、MobileMeを使った連絡帳、スケジュール、メールのPC・iPhone・ウェブのシームレスな連携は心地いい。個人的には、かなりたのしい。

とはいえ、MobileMeはまだ不安定だし(OS Xのアップデータがこない…)、i.softbank.jpのアドレスはドコモ側の一部のユーザ(PC拒否設定のユーザ?)にはじかれて届かないし、アップル&ソフトバンクの予約とらずに並ばせるプロモーションはどうかとおもう。まだはじまったばかりなので、徐々に改善されることを期待したい所。

まあいろいろ書きましたが、東京の家ではソフトバンクのアンテナが1本しかたたずに時々圏外になるという落ちまでついたところで今日はおひらき。お後がよろしいようで(涙。

僕の年代は「理由なき犯罪世代」らしい。

2008/06/11(Wed) Society

【秋葉原通り魔事件】神戸事件やバス乗っ取りと同学年 – 産経新聞

加藤容疑者ら現在の25歳は、平成9年の神戸連続児童殺傷事件で逮捕された少年や12年の西鉄高速バス乗っ取り事件の少年と同学年。世紀末(2000年)を多感な17歳で迎え、同年にはバス乗っ取り以外にも同年代の凶悪犯罪が全国で相次いだ。動機の不可解さから「理由なき犯罪世代」と言われた。

秋葉原の事件の犯人が自分と同い年だなぁと気づき、そういえば酒鬼薔薇聖斗も同い年だったなぁと思っていましたが、バスジャックの犯人も同い年だったとは。他にも、「人を殺してみたかった」と言った愛知県豊川市で少年が主婦を刺殺した事件や土浦の通り魔事件の犯人も今25歳と、探したら探しただけ出てくるのでしょう。

バブルの始まり頃に生を受け、自意識を持ち始めた頃には早々にバブルが崩壊してて、自分で買い物をする頃には消費税がついていて、ソ連とか崩壊してたので教科書の中でしか共産主義なんて知らず、っていう感じでしょうか。

ちなみに1983年は、東京ディズニーランドが開業し、戸塚ヨットスクール事件で校長が逮捕され、任天堂がファミコンを発売し、三宅島が噴火し、ロッキード事件で田中角栄が有罪になり、映画 戦場のメリークリスマスや南極物語が上映された年。そして、元SPEEDの上原多香子、宇多田ヒカル、元モー娘。の矢口真里、松田龍平、水川あさみ、小倉優子、伊藤淳史が生まれた年だそうです。

どの世代にもたいていいろんなラベルがつけられていて、後付論するときには多少意味があるのでしょうが、宇多田ヒカルが通り魔になるわけではあるまいし、言われる方はあんまりいい気はしないもんですな。

沈まぬ太陽

2008/05/12(Mon) Book



恩地には、もはや止めようもなかった。管笠をかぶった白衣姿が次第に遠ざかり、鈴の音が消えていくのを見送った。保証金を以てしても、控訴を以てしても、償えるものではなく、自らが死者の霊に近づき、弔い慰めるほかない遺族がいることを悟った。そう思い至ると、恩地は、遠ざかっていくお遍路に、合掌した。

日本航空(JAL)をモデルにした国民航空を舞台に、労使交渉で会社と争った労働組合委員長恩地元がうけた流刑のようなカラチ・テヘラン・ナイロビへの10年の左遷の経緯が描かれる「アフリカ編」、1985年8月12日から始まる日本航空123便墜落事故をモデルにした航空機事故を遺族係となった恩地の視点で描く「御巣鷹山編」、新会長とともに会社の腐敗を正そうとする「会長室編」の大きく3つに分けられる全2,320ページの物語。

フィクションとはいえ、かなりの部分が事実を下にしたストーリーになっている。最初は御巣鷹山以外の部分、たとえば10年もの海外左遷なんてフィクションだろうと思っていたら、モデルとなった小倉寛太郎という人は実際にそんな経験をしている。ただ、小倉寛太郎自身は小説の恩地のように御巣鷹山の遺族係は担当していなかったりする。こういうフィクションとノンフィクションが入り交じる作品なので、当事者である日本航空からしてみれば事故を起こした加害者の腐敗した大企業として描かれ気持ちのいいものではないだろうけれど、2,000ページ超の物語をじっくり読める人間なら純粋にフィクションとして楽しめるのではないかと思う。

労使交渉で会社側を追い詰めた故に左遷される10年を描く「アフリカ編」と恩地元という主人公に、最初はなじめなかった。「労働組合」という価値観そのものが共感の前に理解さえしがたかったし、その極端な要求や落としどころを定めないやり方などが、10年の海外左遷は極端にしてもそら冷遇されるよとさえ思ってしまう。さらに、自分だけならまだしも家族までアフリカに巻き込んでいく恩地のやり方に、そんな腐った会社を辞めて別の所でリスタートすればいいのにと思いつつも、そういう時代だったのかなぁと思ったり、白い巨塔で言うところの里見と財前のような明暗をくっきり描く作家の描写力に引っ張られて読み進めた。

東京航空交通管制部が国民航空123便の異常に気づいたところから始まる「御巣鷹山編」は圧巻の一言で、事故後子供の見つからない片足を探す母親や、なんとか五体満足にしようと何度も遺体安置場に通う妻の下りには涙が出る。遺族係となった恩地の目を通して描かれるそういった遺族の姿を見ていると、アフリカ編では違和感を覚えた恩地といつの間にか気持ちが一つになっているのに気づく。ただ、事故の原因としてボーイング社の圧力隔壁の修理ミスを採用するならば、事故の元凶を会社の腐敗体質と安易に結びつけて悪の会社側とそれを正そうとする主人公という展開に結びつけるのはちょっと安易すぎるかなぁと感じる(あくまでフィクション小説の展開についての話)。

事故後の立て直しと民営化をにらんで送り込まれた新会長と恩地がともに再建を目指す「会長室編」は、白い巨塔と同様、いつの時代も変わらない人間の闇の部分をこれでもかと見せられ、どうしようもない絶望感に陥る。ただ、一部の菩薩的な人は別として、突き詰めたところ大多数の人間は自分のために生きているという本質を描いているように思う。人の上に立つ人ほどそうであってはいけないんだけど、人の上に立つ人にほどそういった誘惑が多くなっていく社会システムのジレンマ。そういった人間の本質を見るに、大なり小なりこういったことは繰り返されてしまうんだろうなと、読了後にぽつりと感じる。

桜庭一樹 直木賞受賞

2008/01/19(Sat) Clip

芥川賞に川上未映子さん 直木賞は桜庭一樹さん – 朝日新聞

第138回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に川上未映子(みえこ)さん(31)の「乳(ちち)と卵(らん)」(文学界12月号)が、直木賞に桜庭一樹(さくらば・かずき)さん(36)の「私の男」(文芸春秋)が選ばれた。

私の男 表紙
私の男
桜庭 一樹 (著)

前回の直木賞では受賞を逃した桜庭一樹が受賞。正直この賞の意味とか意義はあまりよく分かっていないのですが、これからもこの人の本を読んでいける時間が増えそうだという意味ではうれしい。いままで読んだ本を作家別にすると森博嗣とこの人の本が結構多いと思うし、一番好きな本は「赤朽葉家の伝説」だし、まだそんなにメジャーでない頃から知ってるぞと言うASAYANの頃のモーニング娘。的感情も交わり。

受賞作の「私の男」はまだ読んでないので読んでみたい。「赤朽葉家の伝説」で受賞して欲しかったなと、ちょっとだけ思いますが。

桜庭一樹の読書記録
赤朽葉家の伝説 表紙
赤朽葉家の伝説

iwalog : 赤朽葉家の伝説 – 2007-06-28


iwalog : 少女七竈と七人の可愛そうな大人 – 2007-06-17
iwalog : 少女には向かない職業 – 2007-06-30



iwalog : GOSICK – 2007-06-30
iwalog : GOSICK II – 2007-07-07
iwalog : GOSICK III – 2007-07-15
iwalog : GOSICK IV – 2007-07-16
iwalog : GOSICK V – 2007-08-11
iwalog : GOSICK VI – 2007-08-11


iwalog : GOSICKs – 2007-07-16
iwalog : GOSICKs II – 2008-01-03