最高の涙-宮里藍との一四〇六日
「私は、勝つ準備は出来ています。」
ゴルフにも、宮里藍にも、あまり興味がなかった。でも、安藤幸代アナウンサーというこの本の著者には興味があった。たまにテレビに映るゴルフ中継には必ず映っていて、メインの解説の間に飛び込んでくる短いフィールドレポートをしている人という認識で、なぜこの人はこの道に進んだのだろうという興味があった。
本の内容は、安藤幸代から見た宮里藍についての話と、安藤幸代自信のことが半分ぐらいの割合で書かれているので、宮里藍目当てに読んだ人には物足りないと思う。だけれど、社会に出た一人の女性が、宮里藍とともに年を重ね、仕事に邁進する中で30歳を越えて自問自答していく物語の方が僕には興味深く、共感したり違和感を覚えたりしながら読み進めた。
初めての著書と言うこともあり、表現は浅い。ただ、その木訥な表現を読み重ねていくと、不思議と著者の視点に自分の視点が重なっていくから不思議。レポーターという仕事もいいけれど、こうやって時々文章という形でまとめていくことで、レポートの表現もまた豊かになっていくのではないかと、若干偉そうだけど思った。
「最高の涙」は、宮里藍の涙であり、安藤幸代の涙でもある。たぶん、著者は取材対象に入り込みすぎてしまうのだろうと思う。客観的な視点をあまり求めず、自分自身の主観的な視点で、自分と対象者を同化したようなレポートや文章になっている。それがいいのか悪いのかはよく分からないけれど、一読者としてはもう少し読んでみたい気になった。






